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第5回砂型アルミ鋳造雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社長川原金属、更新担当の中西です。

 

新年あけましておめでとうございます

今年もどうぞよろしくお願いいたします

 

本日は第5回砂型アルミ鋳造雑学講座!

今回は、資格と特徴についてです。

砂型アルミ鋳造は、自動車、航空機、建築、さらには医療機器の部品製造など、幅広い産業分野で活用されている重要な製造技術です。この工程は、砂型を利用してアルミニウムを成形する技術であり、形状の自由度が高く、複雑な部品を一体化して製造できるため、多くの用途で重宝されています。しかし、砂型アルミ鋳造は非常に専門的な技術であり、高い品質を確保するためには熟練の技術と知識が求められます。そのため、この分野で働くためには、適切な資格や認定が重要な役割を果たします。本記事では、砂型アルミ鋳造に関連する資格とその特徴について深く掘り下げ、その取得の意義や業界での重要性について考察します。


1. 砂型アルミ鋳造とは:技術と専門性が必要な製造工程

砂型アルミ鋳造とは、砂を型として利用し、溶融したアルミニウムを流し込んで冷却・固化させることで、所望の形状の製品を作り出す工程です。このプロセスでは、以下のような要素が重要です。

1.1 砂型の製作

砂型は、鋳造の成否を左右する重要な要素です。正確な型作りが必要であり、技術者の知識とスキルが求められます。

  • 特徴:砂型には耐火性が求められ、成形性と強度のバランスが必要です。砂の粒度や結合剤の配合が製品の精度に影響します。
  • 技術者の役割:砂型の設計・製作には、製品の形状や寸法精度を考慮した高い知識が求められます。

1.2 アルミニウムの溶解と鋳込み

溶融したアルミニウムを砂型に流し込むプロセスは、温度管理や流動性の調整が求められる精密な作業です。

  • 特徴:アルミニウムは軽量で耐食性が高いため、特に自動車や航空機部品に適しています。
  • 技術者の役割:温度管理、溶融アルミの流れの制御、そして冷却速度の調整が製品の品質を大きく左右します。

1.3 冷却と仕上げ

鋳込み後の冷却と、その後の仕上げ工程(バリ取り、熱処理、研磨など)も重要です。

  • 技術者の役割:製品の歪みや内部欠陥を最小限に抑えるための冷却管理、さらに表面処理技術が求められます。

これらの工程を正確に実行するためには、専門的な知識と経験が必要であり、それを証明するための資格が存在します。


2. 砂型アルミ鋳造に関連する資格の必要性

砂型アルミ鋳造は、高精度かつ高品質の製品を求められる産業に欠かせない技術です。そのため、製造工程を担当する技術者や管理者には、以下のような能力が求められます。

  • 材料に関する知識:アルミニウムの特性や適切な温度管理、鋳造用砂の特性の理解。
  • 品質管理のスキル:鋳造品の欠陥検査や寸法精度の確認方法。
  • 作業安全の知識:高温の溶融金属を扱うため、安全対策が必須。

これらの能力を証明し、業界で信頼される技術者として認められるために資格は重要な役割を果たします。


3. 砂型アルミ鋳造に関連する主要な資格とその特徴

砂型アルミ鋳造に関連する資格は、国や地域、または業界ごとに異なりますが、以下のような資格が代表的です。

3.1 鋳造技能士(日本)

鋳造技能士は、日本で最も広く知られた国家資格で、砂型アルミ鋳造を含む鋳造技術全般の知識と技術を証明するものです。

  • 資格の概要
    厚生労働省が認定する国家資格で、1級と2級があります。1級は熟練技術者向け、2級は中堅技術者向けに設定されています。
  • 試験内容
    学科試験(鋳造理論、材料特性、設備知識など)と実技試験(砂型製作や鋳造の実務作業)が行われます。
  • 特徴
    鋳造に関する幅広い知識とスキルを証明する資格であり、取得することでキャリアアップや信頼性向上に繋がります。

3.2 非破壊検査技術者資格(NDI)

鋳造製品の品質管理には、非破壊検査技術が欠かせません。この資格は、鋳造品の内部欠陥(気泡やクラックなど)を検査するためのスキルを認定するものです。

  • 資格の概要
    日本非破壊検査協会が提供する資格で、X線検査、超音波検査、磁粉探傷検査などの技術を扱います。
  • 特徴
    鋳造品の品質を保証するために必要不可欠なスキルで、鋳造工程に携わる技術者のキャリアアップに有効です。

3.3 熱処理技能士

鋳造品の特性を最適化するために行われる熱処理に関する資格です。

  • 資格の概要
    鋳造後のアルミニウム製品に必要な強度や硬度を調整する熱処理技術を認定します。
  • 特徴
    特に自動車部品や航空機部品など、高い耐久性が求められる製品を扱う場合に重要な資格です。

3.4 国際的な資格:Certified Casting Technician (CCT)

CCTは、鋳造技術に関する国際的な資格であり、特に多国籍企業や海外プロジェクトでの信頼性を高める資格です。

  • 資格の概要
    アメリカ鋳造協会(AFS)が提供する資格で、鋳造理論、プロセス管理、品質管理のスキルを認定します。
  • 特徴
    国際的に通用する資格で、グローバルなキャリアを目指す技術者に適しています。

4. 資格取得のメリットと業界への影響

砂型アルミ鋳造に関する資格を取得することは、技術者個人だけでなく、企業や業界全体にも多くのメリットをもたらします。

4.1 技術者個人のメリット

  • 信頼性の向上
    資格取得は、技術者のスキルを第三者に証明するものであり、職場での信頼性や評価を向上させます。
  • キャリアアップ
    資格を持つことで、昇進や専門職への転向など、キャリアの選択肢が広がります。
  • 給与アップの可能性
    資格を持つ技術者は高い専門性が評価され、給与の増加に繋がることもあります。

4.2 企業や業界のメリット

  • 品質の向上
    資格を持つ技術者が製造に携わることで、製品の品質が向上し、顧客満足度の向上にも繋がります。
  • 安全性の確保
    高温の溶融金属を扱う鋳造現場では、安全管理が極めて重要です。資格を持つ技術者は、安全面での知識も豊富で、労働災害のリスクを軽減します。
  • 国際競争力の向上
    特にCCTなどの国際資格を持つ技術者は、海外取引やプロジェクトでの信頼性を高め、企業の国際競争力を向上させます。

まとめ 砂型アルミ鋳造は、高度な技術と知識を必要とする製造プロセスであり、それに携わる技術者には専門的なスキルが求められます。そのため、資格取得は個人のキャリア形成やスキル向上だけでなく、企業の信頼性や業界全体の発展にも寄与します。鋳造技能士や非破壊検査技術者資格、国際資格であるCCTなど、多様な資格を活用することで、砂型アルミ鋳造分野のさらなる成長が期待されます。資格取得を目指すことで、技術者としての未来がさらに広がることでしょう。

 

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